井ノ物語

映画好きのアラサー役者がおすすめ作品、楽しみ方を紹介

恥ずかしさや空気と言う怪物の倒し方『アルプススタンドのはしの方』

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甲子園。

野球部にとって夢がつまった大舞台。

全てを捧げて汗水たらして練習し

汗水たらして全力で闘います。

 

そんな良くある高校野球の風景のはしの方にも物語は、ありました。

 

『アルプススタンドのはしの方』

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と言うわけで、簡単なあらすじです。

 

高校野球の応援に来ているがルールも知らない2人の演劇部員の安田と田宮。

そこに遅れてやってきた元野球部の藤野。

そしてぽつんと一人、帰宅部の成績優秀女子の宮下。

安田と田宮は、訳あってお互い妙に気を遣っていたり。

宮下は、吹奏楽部部長に成績で学年一位の座を明け渡してしまったり。

時折やって来てはひたすら応援で声を出せという英語教師の厚木先生に3人が辟易としていて。

それぞれの想いを抱えたまま、

高校野球は、夢を乗せて進行していく。

 

と言う内容です。

 

いやぁ高校時代確かに思ってましたね。

弱小チームなのにわざわざこんな熱い中に応援なんかせにゃならんのじゃって思いましたね。

こんなくそ熱いのに、無理やり外に出されて

応援なんかしたくなかったのを覚えています。

 

野球は、好きなんですけどね。

 

そんな思い出のある高校時代の風景を切り取った名作戯曲が

今回の『アルプススタンドのはしの方』です。

 

元々は、高校演劇の台本で

2017年に最優秀賞を受賞した名作です。

 

自分がこの作品を知ったのは、

専門学生時代の同期で、高校演劇をやっていた人が居まして、

それでたまたま耳に挟んだのがきっかけです。

それからコミカライズされてから手にとって味わっていた最中に本作の映画を観ました。

 

学生時代の大人と子供の境目で

周りの人間との違いや空気の読み合い。

 

学生時代に限らず大人でも楽しめる青春ドラマです。

 

高校を卒業し、社会人として一年間就職しましたが、

未だに夢を忘れることができず一年間しっかり働き、専門学校へ進みました。

 

学生時代から社会人になり、また学生をやりましたが、

やはり学生と言う守られた世界と社会は、別の世界だと感じました。

 

道を示してくれる学生時代と道を切り開く社会人。

 

甘えてきた弱さなど色々この作品には、

夢が乗せられていました。

 

甘んじて『しょうがない』と諦めると言うことを大人になると言うことと思ったり、

やりきっていないのに、可能性が無くなった訳じゃないのに諦めたり。

 

求められたい気持ちは、自分の中にも半端なく有りますが、

求められることよりも、

自分のやりたいこと、自分のやるべきことがが一番辛くないことを教えてくれたような気がしました。

 

専門の同期や後輩もやめていくかたがちらほらと増え始め

アルバイトをしているとたまに見掛けたりして話をしていると

社会人になろうと就活をしていたりします。

話を聞くとこれは私のやりたかった事じゃなかったと言う声を聞いてしまい

一緒にやって来た自分が、少し寂しくなってしまいます。

考え抜いた答えかもしれませんが、

彼らのその言葉は、自分の心を傷つけてきましたね。

一緒に頑張ったのに、みんなが頑張らないなら

どうして俺は頑張ったんだろうなって。。。

 

でも、そう思っても自分勝手な私は、

夢を追い続けると思います。

 

応援してくれる人や気にかけてくれる人がいる限り、

役者の自分を観たいと言う人がいる限り頑張り続けたいと思います。

 

と言うわけで、

出来っこないと勝手に決めつける人達に

自分が何をしたいのか忘れた人達に観て欲しい一作です!

 

『アルプススタンドのはしの方』
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【予告編】


https://youtu.be/OAeHBpspzs8