1999年最後の映像体験『マトリックス 』
お久しぶりです。
コロナが世界に影響を与え、香川県に引っ越しをしてから早くも1年半がもうすぐ経とうとしております。
そんな中世界は寝間ぐるしく一気に『IT』が発展して行き『Internet』や『情報』に溢れた世界になりました。
この三年間で生活や働き方が変わった方もいらっしゃるんではないでしょうか。
そんな世界になった時、何を求め信じるのか?
縛られた世界から解放を描いた芸術的なSF映画が1999年に産声を上げました。
『マトリックス』
この映画は、2000年代に向けたメッセージ性の強い名作映画でした。
この『マトリックス』三部作は、4歳のわたしの心をつかんで離さなかったアクションやCGを使った近未来SFとしても映像体験としても圧倒的な作品でした。
目次
簡単なあらすじ
ソフトウェア会社でプログラマーとして働くサラリーマン『トーマス・アンダーソン』。
彼は、天才ハッカー『ネオ』としての裏の顔を持っていました。
そんな彼は平穏な日常を送る中で「起きていても、夢の中にいるような感覚」を味わっていました。
そんなある日、パソコンに「起きろ、ネオ。マトリックスが見ている。」「白ウサギの後を」という謎のメッセージが届く。
送られて来たメッセージの通りに『白ウサギ』について行くと黒いドレスを着た女性が姿を表し『ネオ』に危険が迫っている事を伝え去って行きます。
次の日、会社に出勤してみると、彼のもとに『モーフィアス』と名乗る人物から携帯電話が送られて来ます。
気になり携帯電話に出てみると『エージェント』と言われる黒スーツを着た人たちが『ネオ』を追っていることを知らされます。
『ネオ』は、『モーフィアス』の指示に従い彼らから逃げようと試みますが捕まってしまいます。
そして『モーフィアス』を捕まえるために尋問されるが協力しなかったため、見たこともない機械を体に埋め込まれてしまう。しかし、機械を埋込まれた後目を覚ますと自分のベッドの上横になっていた。
口がなくなったり機械を埋め込まれたりとあまりにもあり得ない出来事は悪夢だと思い込んだが、再び『モーフィアス』から電話がかかってくる。
『ネオ』は彼に会うことを決め、仲間の車に乗『モーフィアス』の元まで向かうのだった。
『モーフィアス』たちの隠れ家に到着し対面を果たします。
『ネオ』は今まで知りたかった【マトリックス】について問いただそうとしますが、『モーフィアス』から「今まで通りの生活がしたいなら青色の錠剤を、真実を知りたいなら赤色の錠剤を飲め」と二択を迫られる。
『ネオ』は迷いながらも赤色の薬を飲む。
目を覚ますと『ネオ』現実の世界を目の当たりにすることになります。
20世紀末だと思っていた夢の中の世界(【マトリックス】=仮想現実)は虚構であり、現在は21世紀末で、世界は人類とAIとの戦いによって崩壊していました。
人類はAIとの戦いに勝つために、ロボットがエネルギーとして活用していた太陽光を雲で覆うことでエネルギー供給絶ち勝てると考え、世界から太陽を隠しました。
しかし、皮肉なことにロボットは人間の脳から発せられる微弱な電気信号をエネルギー源とする方法を生み出し、人間を電池として利用しているということを『モーフィアス』から告げられます。
『ネオ』はパニックに陥ってしまいますが落ち着いたところで『モーフィアス』からある話を聞かされます。
「マトリックスが作られたとき、中である男が生まれた。」
「彼はマトリックスを変えることができる」力を持っているというのだ。
「彼の死後、彼の再来が予言された。」
「その人間によって戦争は終わる」
『モーフィアス』は『ネオ』こそが救世主とを伝えた。
マトリックス内での戦い方を仕込まれた『ネオ』は『モーフィアス』に連れられ、『予言者・オラクル』のもとへ誘われた。
『ネオ』は自分が救世主かどうか『預言者』という質問するが、「救世主ではない」と答えられてしまう。
さらに、やがて「モーフィアスの命か、自分の命か」という選択を迫られる時が来ることを伝えられる。
真の救世主は、誰なのか。
『モーフィアス』たち人類の運命はどうなるのか。
というのが簡単なあらすじになります。
『マトリックス』のキャスト
トーマス・A・アンダーソン=ネオ (キアヌ・リーブス)
本作の主人公。
大手のソフトウェア会社に勤めているが、天才ハッカー・ネオとしての裏の顔を持つ。モーフィアスとの接触により人類の存亡をかけた戦いに身を投じていきます。
トリニティ (キャリー=アン・モス)
ネブカデネザル号の副船長を務める本作のヒロイン。
ネオの案内役としてマトリックスから現実世界へと導き、以前からネオに対して好意を抱く。
モーフィアス (ローレンス・フィッシュバーン )
ネブカドネザル号の船長であり、人類を救うことのできる救世主を探しネオに接触。
マトリックスの世界では伝説的なハッカーになっており、テロリストとして指名手配されている。。
エージェント・スミス (ヒューゴ・ウォレス・ウィーヴィング)
マトリックスを守る監視プログラムのエージェント。
『マトリックス』3つの魅力
①【圧倒的映像体験】
本作では今までにない撮影方法「バレットタイム」という技法を用いました。
この撮影方法は特殊撮影の一つで被写体の周りに何台もカメラを設置し、アングルを動かしたい方向に順番にカメラを撮影していき、被写体の動きをスローモーションに見せながらカメラワークは高速で移動しているというものです。
この撮影方法で撮影された有名なシーンが『ネオ』が『エージェント』が撃った弾丸を体を反らして躱すシーンかと思います。
『マトリックス』を見ていなくても、このシーンは知っているという方も多いのではないでしょうか。
②【圧倒的アクション】
『マトリックス』の映像は「バレットタイム」以外に注目を受けるのはやはり「ワイヤーアクション」です。
もともと「ワイヤーアクション」というのは香港が代表する専門技術でした。
香港の監督『ユエン・ウーピン』の手によって、『マトリックス』のワイヤーアクションは成功。ハリウッドや世界各国で「ワイヤーアクション」使われるようになり映画業界に革命を起こしました。
アカデミー賞で【視覚効果賞】【編集賞】【音響賞】【音響編集賞】の4部門を受賞
③【神話性、哲学性、メッセージ性】
本作は、練りに練られた脚本もまた魅力を引き立たせてくれます。
この作品には、『キリスト教の教え』や『水槽の脳』や『ソクラテスの弁明』という哲学的理論をSFの理想と問題提起を見事に組み合わせて制作されています。
電池として繋がれている人間たちが見ている夢の世界がマトリックスの世界です。
これこそまさに『水槽の脳』であり、魅せられた架空の幸せを選ぶのか、他者のために自身の中の正しさを選ぶのか。
この選択の連続こそが、他の作品たちにはなかったメッセージであり最大の魅力になっています。
楽しみ方
自分はこの作品を見たときに何より感じたことは、監督の抱えていた悩みと普通では無かったという苦悩でした。
監督『ウォシャウスキー兄弟』(現在では性別適合手術を受け姉妹になっています。)
なぜそう感じるかというと何よりも
『ネオ』と『トリニティ』
この二人こそが監督の分身となっているからです。
ずっと打ち明けられず抱え込んでいたり本当の自分はどれなのか考えてきたと思います。
自分自身も似たような悩みを抱えていました。
母子家庭でおじいちゃんも小学校低学年の時に亡くなり、女性しか周りにいなく小学生時代は女子と一緒にいる方が安心出来たり、口調が女っぽい等から中学から他者とずれていることでいじめられ悩みを抱えていた事もありました。
そんな時期にすごく見ていた作品が『マトリックス』でした。
こんな世界であったらいいのになんて気持ちをのせていたんです。
今となって気が付きましたが何かに縛られて苦しんでいたんですよね。
自分では選択できない領域でベースが整ってしまい修正をかける事が難しくなって。
でもそれでは幸せになれない。
自分にしか残せないものがある。
自分の殻を破り捨てる選択が必要だ。
そんな声が自分には聞こえてきました。
自分の場合は自己否定も半分入っていますが、
【自分に足りないものを理解したい】
【自分に足りないものを埋めたい】
【苦しいだけじゃなく喜びや幸せも溢れている】
それを伝えたいからこそ役者という世界に足を踏み入れてしまいました。
自分のことを少し語りすぎてしまいました。
話を戻します。
そんな監督にとって
『ネオ』は救世主であり解放の使者【神】であり。
『トリニティ』は自分自身の求めている理想や望み【三位一体】であるんだと思います。
そして『ネオ』はどこにでも存在している。
皆を支え幸せに導いてくれる。
神に等しい存在なのでしょう。
救世主の存在は、一度罪を受け入れ他者のために命を捧げ、愛の力で復活しました。
縛られては本当の自分自身になれないし、幸せにはなれない。
だからこそ自身で考え他者のために愛を持って行動してほしいと
誰にも縛られ苦しみ、縛って苦しめてはいけないというメッセージが込められているように感じます。
と言うわけで長くなりましたので今回は、この辺りで。
次回は三部作の後の世界を描いた『マトリックス レザレクション』について触れたいと思います。
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