芸術に取り憑かれた男『ばるぼら』
クリスマスも終わり年越し、年末年始です。
もうすぐ仕事納めの方も多くなったと思います✨
是非とも映画館で一度観ていただきたい、
『手塚治虫』作品をご紹介したいと思います✨
簡単なあらすじです。
芸術家としての悩みを抱えながら、成功し、名声を得、それを失い、破滅していく人気小説家-『美倉洋介』。
アルコールに溺れ、都会の片隅でフーテンとして存在する、謎の少女-『ばるぼら』。
ある日、『美倉洋介『は新宿駅の片隅でホームレスのような酔払った少女『ばるぼら』に出会い、思わず家に連れて帰る。
大酒飲みでだらしない『ばるぼら』に『美倉』はなぜか奇妙な魅力を感じ追い出すことができません。
彼女を手元に置いておくと不思議と彼の手は動きだし、新たな小説を創造する意欲がわき起こります。
その一方、異常性欲に悩まされる『美倉』は、あらゆる場面で幻想に惑わされ。。。
いつしか『美倉』は『ばるぼら』なしでは生きていけないようになっていた。
『ばるぼら』は現実の女なのか、『美倉』の幻なのか。
狂気が生み出す迷宮のような世界に『美倉』は堕ちてゆきます・・・。
という内容です!
いやぁ見ごたえがあった。。。
もう主演の『稲垣吾郎』さんと『二階堂ふみ』さんが、素晴らしかったです。
『稲垣吾郎』さんと言えば『SMAP』のメンバーのなかでも不思議な雰囲気の漂ったイケメンです。
どの『SMAP』メンバーも好きでしたが、
個人的に『SMAP』メンバーで一番好きな位です✨
そんな『稲垣吾郎』さんが、本格的な濡れ場を演じるんですよ。
演じている『美倉』さん。
『異常性欲』何ですよ。
売れっ子作家でありますので言い寄ってくる女性なども多く、
常にスキャンダルにならないように気をつけて居るんです。
そんな彼が気になった女性が『ばるぼら』なんです。
『ばるぼら』の冒頭に出てくる台詞があるのですが、
『都会が何千万人という人間をのみ込みこんで消化し、たれ流した排泄物のような女』
と出てくる一風変わった小汚ない女性が『ばるぼら』でした。
それを演じられたのは、『二階堂ふみ』さんです。
やっぱり『彼女』は、凄かったです。
もう『女優』の鑑だと思ってるのですが、
本当に凄かったです。
最初は、『え?』って思ったんですよ。
でも次第に『ばるぼら』という人物が誰なのか分かったときに、『はっ!』っとされます。
いやぁ凄いです。ずっと映画初期から観てましたがやっぱり心がざわつきますね✨
そして観られた方は、難しく感じた方も多いと思うのですが、
この『ばるぼら』がどういうお話かというと
『手塚治虫』の作品の中でも一番苦労した時期の作品なんです。
世間では、ストライキやら学生運動の暴動時期を生きた漫画家です。
その中でも会社が回らなくなりそうになったりと生活が困窮していた時期に、芸術とはなんなのかと描いた作品なんです。
難しく手塚は本作を
『デカダニズムと狂気にはさまれた男の物語』
と形容している。そうです。
なんのこっちゃ?ですよね。
簡単に言えば、『現実と芸術』の事です。
生きていく以上現実がついてきて、
芸術かにとっての毒が描かれたような映画です。
芸術家として、作品を作っていてこの世の中へ何を残そうか悩み苦悩する彼の一面が原作では描かれています。
そんな彼の目の前に現れたのは、現実的ではない『ばるぼら』の姿でした。
そして彼女『ばるぼら』がボロボロな理由がそこにはありました。
『芸術の女神』
彼女は、常に『美倉』現実的ではない世界に連れていきます。
そして、明かされた地点では自分も理解が追い付きませんでしたが、
物語が終わりを迎えるに連れて彼女が、
食い物にされ、忘れ去られてしまう『芸術』という存在を表していることに気がつかされます。
もしかしたら違うかもしれませんが
個人的には、いやぁ本当に凄い仕掛けですよね✨
そして、『美倉』という男の最後、、、。
原作と違うんですよね少しだけ。
根本は、同じなのでしょうが、個人的には、映像らしい終わりだったんだと思います。
と言うわけで今回この辺りで。
他にも『手塚治虫』の作品は好きで『ブラックジャック』や『どろろ』『火の鳥』なんか好きです。
やはり色褪せない芸術を生み出した彼にも終わりが来るのか必見です。
『ばるぼら』