草彅剛がとにかくすごい『ミッドナイトスワン』
お久しぶりです。
バタバタと忙しく遠方をいったり来たりしておりましたが、
少しだけ時間が取れるタイミングが出来まして
久しぶりに新作映画を映画館で楽しんで参りました。
そしたらとんでもない化け物と出会ってしまいました。
何が化け物って空気感といいますか質感がもうとんでもない。
と言うわけで、今回紹介する作品は、
9月25日に公開しました
草彅剛さん主演の日本映画を紹介したいと思います。
『ミッドナイトスワン』
簡単なあらすじです。
ニューハーフショークラブのステージに立つ、トランスジェンダーの凪沙(草彅剛)は都会の片隅で生活を送っていました。
幼少の頃から自分の「性」に違和感を抱き、それを田舎に暮らす身内にも告げることができずに生きてきました。
そんなある日、親戚の娘が育児放棄された一華を一時的に引き取ることになってしまいます。
一果は自分の思いを他人に伝えることが苦手で、凪沙は上手くコミュニケーションをとれないまま共同生活が始まります。
どんなものにも無関心で、ドライに生きている一果が唯一興味を示すものはバレエでした。
こっそりと凪沙に隠れてやっていたバレエは、とある事件をきっかけにばれてしまいます。
しかしその出来事は、二人の距離を近づけていきます。
と言った内容です。
いやぁ、観ていて辛かったですね。
胸をきゅーって締め付けてくる感じですかね。
もう泣いてばかりでした。
と言うわけで本作は、Netflixでお馴染みの『全裸監督』の『内田英治』さんと『草彅剛』さん、『服部樹咲』さんを主演にし『水川あさみ』さん、『真飛聖』さん、『田口トモロヲ』さん等々たくさんの方々が出演されています。役者が強すぎます
この作品は、『トランスジェンダー』を描いた物語なんですが
自分も昔に悩んだことがあったんですよね。
自分自身の家庭環境が女性だけの構成だったので
よくオネエのような声が出てしまうんですが
仕事中なども含め周りからは「気持ち悪い」や「ふざけている」等々言われてしまいます。
やはり未だに昔からある問題でありながら
未だに普通でないだけで否定されて
自分達は、それが普通の事であるにもかかわらず……。
悲しい思いをしてしまいます。
そんな共感だらけの本作品の何が衝撃だったのかって!
主演の『草彅剛』さんのお芝居が凄いんですよね。
もう所作も凄いし質感が凄いんですよね。
細かいところまで丁寧で歩き方なんかも凄いんですよ。
自分もヒールを履いて歩いたことが何度かありますが
もう歩くのが大変です。
ペタッとしたスニーカーのような靴であれば
どれだけ楽か
踵が地に触れているこの安心感。
ヒールを履いて歩いたことがある方ならわかるんじゃないですかね?
そして、もう一人の主演の『服部樹咲』さんが凄かったです。
今回が初の出演なんですよ。
素朴で美しい女性『一果』という人が
ここまで魅力的に描かれたのは、やはり彼女の影響が一番だと思います。
そして回りを固める役者さんたちが力強いんです。
いやぁ、いいものを見ましたね✨
ここから先は、少しネタバレ気味になってしまいますが、
ラストシーンに対して私たちを悲劇のヒロインにしないでという酷評なども勿論あったりしまして、
個人的には、凪沙さんの中の気持ちを考えると悲劇的なものではないのかなと感じました。
お金は、貯めていても決定打がなかったり、
自分のことを世間様は受け入れてくれないことを気付いているからこそ
ラインを越えなかった点があるように感じました。
そんな彼女凪沙にとっての幸せとはなんだったのか?
女性としての幸せとはなんだったのか?
母という存在はなんなのか?
小説の方では、凪沙や一果の内面に深く入り込んでいるため、分かりやすいのかなと感じました。
また作品を通してショッキングな映像が多かったりします。
友人の結末も親の発言から察しましたが、
救いようがなかった彼女の在り方が一華と重なり、一果との違いがハッキリとしたのかと思います。
羽ばたいた白鳥も
美しくも美しいだけではなく
見えないところに色々と秘めていたんだと思います。
あえて言えば、誰もが可能性があるように私には感じました。
と言うわけで、これ以上書いてしまうと
止まらなくなって全部自分なりに解釈してしまいそうなのでこの辺りで。
こんな世の中で
抱え込んで辛いことがあったとしても
頑張っていきましょう。
まだ見てない方は、是非観てみてください。
きっと心に刺さると思います。
『ミッドナイトスワン』
『ミッドナイトスワン』100秒版予告映像
『ミッドナイトスワン』925秒版予告映像