井ノ物語

映画好きのアラサー役者がおすすめ作品、楽しみ方を紹介

『マトリックス レボリューションズ』

と言うわけで最終章です。

 

キャッチコピーは、

『始まりがあるものには、すべて終りがある』

です。

結論からいうと

終わったということは、再び始まりが生まれるという内容ですね。

神話の側面があるというのは

歴史の側面を持っていて

人の歩んできた過ちや偉業が描かれているように感じます。

 

自分は作品のテーマとして。

『心』と『死』が存在していると思います。

 

アーキテクトと預言者との会話が難しく感じた方が大半だと思います。

 

片方は、理論。

パソコンの表計算のような効率的な計算式に基づいた最も確率の高い可能性を導きだす存在。

片方は、感情論。

理論を狂わせる不安定要素であり。

人が持ってしまった罪です。

そして同時に

可能性を造り上げられる創造性。

 

相反しているように思える内容なのですが、

これが正解なんだと思います。

 

これは、人の心の物語だと思いますので。

 

それに事実

こちらの監督さんたち兄弟は、姉妹に変わりました。

変わったというか、元々知らなかっただけですよね。

私たちが。

 

物語上のエージェント・スミス

外面に踊らされないという点が元々持っていたんだと感じさせます。

 

アーキテクトと預言者の会話も同様に

ある意味夫婦喧嘩のようにも読み取れるように思えます。

 

そしてもう一つのテーマ『死』です。

神と言う存在が起こした奇跡として

一度目の死。

そして復活というものが明確に定義付けられています。

そして死について面白い話をお坊さんから聞きました。

人類に限らず生きているものに平等に与えられた奇跡は唯一

 

『死』だけです。

 

 

ネオが、常に求められていたものは何だったでしょうか?

人が生きていく上で誰もが抱える慟哭です。

渇望です。

 

有名な劇作家のシェイクスピアの作品。

ハムレット』でも描かれます。

「生きるべきか、死ぬべきか。それが問題だ。」

 

どう生きるべきなのか、どう死ぬべきなのか

つまり存在理由や価値について常に悩んできました。

回りには救世主と呼ばれ自覚がないままに導かれて来たリローデッドまでの歴史です。

 

預言者の台詞で

まだそのときでは無かったから言わなかったり

自分で選んだり望んでないものは見えない。

とあります。

これは、預言者自身がアーキテクトとは違い

 

理論を持った上で人間のように不純物を持ち合わせていることを表します。

 

ネオも同様に

アーキテクトとの選択の際に

全人類とトリニティを天秤にかける形になりました。

プログラムであれば間違いなく1を切り捨てます。

しかし今までの救世主よりも

愛を知る事で人に近しい存在になりました。

 

結果選択肢は、一人の愛した女性に注がれます。

 

今まで役者をやって来ていて

一緒にやって来たり関わってきた人達で

シェイクスピアの意味が自分達なりに噛み砕けている人は非常に少なかったです。

同様に意味が理解できなくて評価されている作品は非常に多いと思います。

 

どうして意味がわからなくなるかは、

本質に気づけないからなのだと思います。

 

深く考えず単純化させれば

すべて自分の心のなかに繋がっていると思います。

仏教で言えば『生命の海』に近いですかね。

 

それぞれ違うとは言えば人間であり

人間である以上動物とは違い

子孫を作るだけでは死ぬ理由にならなくて

死んでいくために何が大切なのかは

皆一緒なのだと思います。

 

とここまでで。

この生命の海は、また別の人造人間の出てくる社会現象を起こしたアニメーション紹介の時にでも。

 

マトリックスのような表計算は、

それぞれの人間の夢を世界で

何でも自分の望みのような世界。

その先の大切な本当の理由は、

シン・シティザイオンのような意思のようなものだと思います。

 

預言者の問いかけは、

常に自分への問いかけでした。

答えは出てる。分かっているけど正解なのか解らない。不安さ脆さを描いています。

 

でもそれでいいのでしょう。

 

最後に自ら答えを出しました。

その答えは、自分の中に決まっていた軸なのです。

 

自分が専門時代に書いていた脚本の内容も

実は、こんな感じの内容でした。

 

自分の存在理由がわからず、

もがき苦しみながら

最後に見た光がその人を救うと言う内容の。

 

ラストのエンディングのネオへのプレゼントも粋な話だなって思いました。

あのエンディングも

人生においては、一つの可能性です。

うまく行くかは別として

どんな死にかたを迎えたいのか。

 

それが大切だと思います。

 

この作品は、いろんな要素が作用して見方が変化する作品なので何度も楽しめます。

機械側から観ても面白いです。

 

 

マトリックス レボリューションズ


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予告編


https://youtu.be/NhoaoTZJSX4